梅雨が明け夏本番となりましたが、今年の夏は「節電」を意識する夏ですので、ちょっとした工夫で「涼」を得る方法をご紹介します。東洋医学において、夏は「陽気(体を温める熱エネルギー)」を程よく発散させるようにするべし、と言われています。

 
 その方法の一つが、体を冷ます食材を摂ること。例えば「ごぼう」です。今の時期には「夏ごぼう」が出回っています。ごぼうは元々中国から薬草として日本に伝わってきたと言われ、体の中の余分な熱を冷ます効果があります。また、ごぼうの種は「牛蒡子(ごぼうし)」という名で、風邪を引いた時の解熱などを目的として今でも用いられています。また、熱帯地方の代表的なフルーツ・バナナは、栄養価が高い上、消化吸収にも優れているため、おすすめです。カリウムも多く含んでいるため、暑さでイライラする気持ちを和らげる効果も期待できます。また、眠りのメカニズムでは、体温の幅が大きい程眠りやすくなるので、あえて体温を上げ、眠りに入るにつれて下がるという仕組みを作り出す「温かいお茶」もおすすめです。
 
 最近では、ゴーヤやアサガオ、ヘチマなどの蔓が伸びる植物をベランダで育て、「緑のカーテン」を作る家庭が増えています。これは部屋に差し込む直射日光を遮るだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。すだれやよしずでも十分効果があります。そして、昔から伝わる「涼」の取り方、打ち水。ベランダや道路、玄関先だけでなく、家の壁などにかけても効果があります。夏の道路の路面温度は60℃に達することもありますが、打ち水によって路面温度が約15℃下がったというデータもあるほどです。
 
 また、梅雨の明けたこの時期は、特に熱中症に十分にご注意ください。熱中症とは、高温多湿な環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破たんをきたして発症する障害の総称です。炎天下でのスポーツや労働中だけでなく、日常生活を送る中で発病することも多いのが特徴で、年齢が高まるにつれて日常生活やレジャーでの発症が増える傾向にあります。その中で大切なことは、適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事などの基本的な生活を見直すことです。そして「体温調整できる体」を作り、今年の暑い夏を乗り切っていきたいですね。
アルフィックス日報より

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