ちょうど一週間前の金曜日、4月29日。イギリスでは華々しくまた喜ばしい出来事がありました。英国の王室のウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式、ロイヤルウェディグが盛大に催されたのです。1986年にチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日された際、日本中が祝賀ムードに沸いたことがありました。もちろん、その際も今も現地英国を中心として世界中に活気をもたらしたニュースとなっていることに違いはありません。さらに、他にも英国首都ロンドンにおいて明るい出来事が生まれつつあります。

 かつては、下水道設備の不備による大悪臭や貧困地域の拡大などの都市問題が深刻化した地域でしたが、その後シェークスピアやビートルズといった芸術家や文化人を多数生み出し、流行の発信都市となったロンドン。現在では、2012年に開催されるロンドンオリンピックへと向け、国や民間を挙げて勢いづいてきております。その中でも経済面におきまして、注目を集めている地域があります。それは、ロンドン東部のショーディッチ地区で、“シリコン・ラウンドアバウト”と呼ばれる地域。百数十社のハイテク企業が軒を連ね、リーマン・ショック後からのこの大不況下でも驚く程の成長を遂げています。その成長ぶりから、今では英国版シリコンバレーと称されているのです。

 政策面における追い風もこの成長の一端を担っているようです。昨年11月にキャメロン首相が世界で最も魅力的な場所にすると息を巻き、この地区からオリンピック開催予定地にかけて「テクノロジー・シティ」を構築するとの計画を立てました。法制度においても、特別なビザを発行したり著作権法の見直しを図ったりなど、事業設立がしやすくなるようにとの方向で進んでいるのです。特に、このエリアに集まるのはソフト制作や3Dに特化している高い専門性を持つ中小企業。すでに、米国の巨大企業、グーグルやマッキンゼーなどが投資を検討し、この新しい成長をバックアップし始めております。

 これらの支援策だけでなく、芸術性の高さや自由奔放な雰囲気を持つロンドンは、クリエイティブな若い人材にとって独特な魅力を放っているのでしょう。今後、ラウンドアバウトの新しい人材や新しい企業から革新的な技術が数多く生まれる可能性が十分にあります。世界中に明るい話題を提供する都市、ロンドン。そう言われる日はすぐそこなのかもしれません。

アルフィックス日報より

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